杉浦生(みのる)「警察署の内幕」 講談社
著者は、福岡県警に25年間勤務し、警部で退職した警察官。
本書には、警察署が「購入していない文房具、乾電池等のニセ領収書で、経費を受給し、その資金で警察官が飲食、買春を行っている実態」が、時に明晰に、時に隠然と描かれている。
また警察署では日常的に文書偽造が行われている事も書かれている。
警察官は市民に対し職務質問を行い、その結果を文書にし、本署に提出し、その数の多い程、「成績が良い」として出世・昇給になる。
そのため、「優秀者として表彰されている警察官ほど」、実際には職務質問をせず、「〜時〜分、〜駅周辺で40歳代、男性に職務質問」といった「ニセ文書」を偽造し、たくさんの文書を本署に提出し、「報奨金」を手に入れている。
これは税金であるが、これを「小遣いにした飲食」が平然と日常的に行われている。
これが警察組織の実態である。
犯罪情報についても、市民から犯罪についての情報を得た、として文書を提出すると、その数の多い程、「成績が良い」として出世・昇給の対象になる。
そのため、近所の、オバサンと世間話を行い「小沢一郎の秘書逮捕を、どう思うか」等々、質問し、オバサンから「政治家は、みんなやっているんじゃない?」という返答を得ると、それを文書化し、
「市民から知人の政治家が収賄している」との情報・内通があった、と本署に報告する。
この「数量を増やし」、報奨金を得、飲食の費用とし、出世・昇給の手段とする。これが警官の「日常業務である」と、25年間、警官を職業にして来た著者は言う。
白バイ等は、人気のない脇道で駐車し、エンジンをかけ、車輪を「空で回転させている事」がある。
車輪が回転すると、走行距離のメーターが回るので、「それだけ、巡回パトロールした事になる」。
実際には警官は、仕事をサボリ、遠くの空をボンヤリ、ながめていたりする。
この場合、白バイは実際には走っていないので、ガソリンの消費は少ない。
実際に走った場合との「差額分のガソリン」は、白バイの燃料タンクから「抜き取られ」、警官個人の「自家用車の燃料タンクに補給される」。
明らかな窃盗犯罪である。これを行っていない警官など「居ない」と、交通課の現場指揮権を握っていた警部本人=著者は言う。
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